SSブログ

このままでは飛ばされる? [仕事]

今度から書類は手渡ししますから


僕の取引先である元請け企業の50代の担当者が、ある会議の際に言った言葉です。


その会議に参加していたそれぞれの下請け会社の担当者たちは、一瞬訳が分からず言葉を失ってしまいました。


その書類というのは、1ヶ月に2度行われる定例会議で使うメインの資料なんです。

会議ではいつもその資料を元に、約2週間の工程や流れを確認していました。


平日の18時からの会議なので、仕事の都合で時間に間に合わなかったり、あるいは参加しなくても特に困らない業種の方もいるので、協力業者全体の10~20%が大体いつも参加していました。

僕も一応義務的に参加していました。


その会議で使う資料は今までは、前日もしくは当日に電子メールで、全協力業者に送られていました。

僕たちは前もってそれを印刷して、自社の予定や工程を決め、念の為に会議に参加して再確認するという、今まではそんな流れだったのです。

更に僕の場合は、その資料をクラウドサービスで共有し、社員が出先でもスマホなどで確認できるようにしていました。

もちろん僕自身も紙ベースの文書を持ち歩かなくていいので、そのほうが楽でしたし。

ところが今まで電子化してくれていたその書類を、紙に印刷して渡すから、今度から取りに来て下さい、というのです。

このことにはさすがの僕も理解に苦しみました。

今までいろんな方々と仕事でお付き合いしてきて、

ITスキルのない方や、

電話魔だったり、

忘れっぽい人など、

こちらを困らせてくれた方は沢山いますが、このパターンは初めてでした。


その元請け会社の50代の担当者は、決してITスキルがないという訳ではありません。

たぶん、得意ではないでしょうけど。

たとえばJW CADで図面を書いたり、メールも普通にできるし、社内で電子化された情報やデータにも普通にアクセスできる方です。

この方は以前、とあるメーカーに勤めていたのですが、そこは日本でも名のしれた企業の資本金が入った子会社でした。

その当時は、お互い協力業者同士として、現場で顔を合わせていました。

仕事の内容によっては直接的に関わることもあったため、どちらかというと僕は仲良く接していました。


そんな彼が、その会社を辞め、当時の取引先であった元請け側の企業に再就職したのです。

その元請け企業は現在とても勢いがあり、次々と市場を拡大しています。

そこでは新人の育成と、「即戦力」として活躍できる経験を持った人を、募集していたんです。

ある意味で彼は適任だったのかもしれません。


ところが、僕達は知っていました。

僕達というのは、その協力業者たちのことです。

僕たちは彼が

ミスの多い人間

だということを、昔からよく知っていました。


ただ、下請会社同士は直接的に取引しているわけではないので、金銭的な被害はあまりなかったのです。

でも彼のいた会社はかなりの損害を被っていたと思います。

保険が適用になったケースもあったと思いますが、僕が知るかぎりでも数百万の損害を与えていました。

その原因は単純に、

彼のミス」でです。


僕たちは彼がよくミスをすることを知っていたので、彼が元請け側の企業に入った時には、正直驚きました。

またやるぞ、きっと

みんなが口を揃えてそう言っていたのを覚えています。


ところが彼自身は、割りと楽観的な性格で、失敗を水に流すのが得意な人だったのです。

彼がよく言っていたのは・・

「またやっちゃったな、俺」

「ごめん、ホントにごめん」

「今度から気をつけます」

「やっぱり俺だからさ、すぐ忘れちゃうんだよね」

そう、何回も同じような話を聞きました。

そしてまたミスをするんですよね。


当時勤めていた会社で彼は結構大きな損害を出した後転勤になり(事実上の左遷)、その後その会社を退職して、元請け側の企業に再就職することが出来たわけです。

再就職の際は、以前より交流の深かった元請け企業の社員が、口利きをしてくれたと聞いています。


そんな彼が元請け側になったことで、実際に様々なトラブルが発生しました。


具体的には書きませんが、以前と全く変わらず、ただ忘れていたとか間違ったとか覚えていないとか。

そして僕たちは

やっぱりね、思った通りだ

と、半ば諦めムードで彼と接しているわけです。


もともとミスが多かった人間が、立場が変わったからといって簡単に直るものではないんですよね。


それに彼はもう50代半ば。

すっかり育ち切っています。

彼の言動や態度を見ていると、自分を変えようとしていないのは明白です。

そして誰も彼を指導することができないのです、その企業の中では。

内情を見てみると、ほとんどが若い社員で構成されていて、若い新人の育成に忙しいのです。

だから彼自身が自分で気付き、自分を変えなければならないのかもしれません。


そんな彼が今回、なぜ書類をメールではなく直接手渡ししようとしたのか?

それにはこんな理由がありました。

どうやら彼の悩みは、

自分に情報が集まってこない

ということのようでした。


どういうことかと言うと・・・

僕達下請会社は、彼の言うことがあまり信用出来ないので、横つながりで連絡を取り合ったりして、円滑に現場を進めていたわけです。

彼の管理方法や能力では現場が上手く行かないので、そのままではこちらが被害を被ってしまうからです。

最初の予定がしっかりとしていれば、特に彼が話に入ってこなくても順調に物事は進むのです。

仕様や工程の変更があった時は速やかに連絡をくれれば、こちらとしては上手く行っていたのです。

それでもトラブルは多かったですね。


どうやら彼はそれが気に入らなかったようでした。


そんな彼が突然、会議に参加しないと文書を渡さない!という暴挙に出たわけです。

もし会議に参加できなければ、その後にでも会社に書類を取りに来て下さい!そう言うのです。


これには流石にみんなも固まってしまいましたよ。

まさか、そう来るとは夢にも思っていませんでしたね。


会議に参加すれば、必然的に彼と打ち合わせすることになりますから、彼自身が全体像を把握しやすくなると考えたのだと思います。

また会議には協力業者全体の10~20%しか参加していないので、出席率を上げたいという狙いもあったのでしょう。

ただ、僕たちはあくまでも勝手に動いているのではなく、工程に沿って動いていたのですから、その工程がしっかりと組んであれば、全く問題はなかったはずです。

要するに、自分の管理能力のなさを棚に上げて、しかも自分の立場を利用して、何かしら優位な展開に持ち込もうと考えたのだと思います。

そしてそれを感じた僕たちは、反論することさえ出来ませんでした。

理解できなかったからです。


ITを活用した仕事の効率化が叫ばれているこの時代に、一昔前の方法に戻すと彼は言っているのです。

パソコンを持っていなかった個人経営の社長さんだって、元請けからのメールを受けるためだけにパソコンを導入しました。

おそらく会社にそのことが伝われば、彼も追求されると思いますよ、この件は。

なぜそんな非効率なことをするんだ?と。


僕達協力業者の負担を増やして、自らの求心力を高めようなんて、そんなこと上手くいくはずがありません。


実は、この会議にはもう一人、元請け側の別の担当者が出席しています。

ちょっと大人しい方なんですが、彼のITスキルは結構高いです。

そしてその方は、彼の方針には従わず、今までどおり電子メールで書類を送ってくれます。

その方も50代前半なのですが、彼の上司に当たるし、できればその変なやり方を食い止めて欲しいところです。


そして例の彼は、この件に関しては執着しているようで、求心力はますます低下しているのに、全く気付いておらず、改善の兆しも見えません。

ちなみにこの取引先は僕自身が担当しているのですが、このまま良くならなかったり、これ以上ミスが増えてこちらの負担が増すなら、彼の担当する物件に関しては取引を中止したいとさえ考えています。

僕はその企業の社長や取締役員たちと、昔から仲良くさせてもらっていたので、事情を説明して抜けることは可能だと思います。


その前に彼が飛ばされてしまうかもしれませんが。


今回はそんな、あまり役に立たない内容のお話でした


下請としての生き方と落とし穴 [下請]

僕の仕事上の立ち位置としては、大手企業の下請として仕事を受注したり、
また自らが元請会社として仕事を請け負い、取引先の下請業者さんに発注することもあります。


今回はそんな僕の取引先の「下請け会社」について話をしてみたいと思います。


僕の取引先の下請会社の社長さんたちは、ある独特の価値観を持っています。

それは僕から言わせてもらうと・・・

下請根性

といった感じの価値観です。

どんなものかというと・・・

・発注金額に対して文句を言わない

・追加請求はするが減額には触れない
(実際の工事では中身が増えたり減ったりします)
(これは根性とはあまり関係ありませんが)

・お客様とは直接話さない
(金額の話などはできませんね)

・責任は自分にはないと主張する


大きく分けるとこのような感じです。
(価値観とは言えないかもしれませんね)


これは良い意味で言うと、

文句を言わず寡黙に働く

とも言えますが、


別な見方をすると・・・

・意見を言わないだけで、実は言いたいことは沢山ある。

・ズルい

・無愛想である

・無責任だ

ということにもなります。


僕の周りにはこのような方が結構多いです。


「下請」というポジションにいることで、自らを卑下して語る社長もいます。


忘年会やお酒の席になると必ず、

「ウチみたいな小さい会社は・・・」

などと、自分の置かれている境遇が不幸だとか、そんな愚痴をこぼし始めます。


また僕が社長さんたちよりも若いため、ガンガン噛み付いてくる人もたまにいます(笑

「お前よ~・・・」とか、

「もう少し金額なんとかならんのか?」

「その工程じゃキツすぎるわ」

とか色々です。


実は前者の愚痴をこぼす社長よりも、後者の噛み付いてくる社長のほうが仕事をしっかりやってくれます。
(少なくとも僕の周りでは)

文句を言うからには責任感もそれだけ増すのかもしれません。

なので僕としては愚痴をこぼされるよりかは、不平不満を言ってくれたほうがまだやり易いのです。
(どちらの意見の中にも改善のヒントが隠されていますが)


前者の愚痴が多い社長と話していても、

「またそんな話か」と思ってしまうし、何よりも暗いんですよ、言葉も雰囲気も。


後者の文句を言う社長には、時には腹も立ちますが、接しているとエネルギーを感じます。


そこで、それぞれの下請会社さんの背景を見てみると、ある違いが浮かび上がります。


愚痴の多い社長の会社は、基本的にほぼ「下請専門」のスタイルが多いです。

自分たちが「元請」としてお客様から直接仕事を受注するようなことはないのです。


それに対し、文句を言ってくる社長の会社は時には「元請」として直接仕事を受注しています。


結局はこの差だと思うんです。


長い間、下請に甘んじているうちに、様々な能力を失ってしまったのです。
(全ての下請け企業がそうだと言うわけではありません。あくまでも僕が接している下請会社のことを言っています)

どんな能力を失ったのかというと・・・

・見積もりする能力

・営業力

・宣伝力

・会社を発展させるという意欲

・自らの業務に対する分析力

・自社の売上に対する原価計算力
 (または純利益の計上)

・社員を教育する能力

・責任感


などなど、沢山あります。

これは僕が接する下請会社の内情を垣間見て、

「下請根性が強すぎると、こんな風になってしまうのか」

そうヒシヒシと肌で感じたことなのです。


ハッキリ言って危険ですよね、この状態は。

受注を元請けに完全依存しているので、本来仕事で必要とされる様々なスキルを、知らないうちに失っていくのです。

そしてその失われたスキルと引き換えに、下請根性を自らが育て上げているんです。


・見積もりもしていないのに、売り上げの目標を立てれますか?

・原価計算もしていないのに、請求に関して交渉できますか?

・お客様の気持ちになって真心を込めた仕事ができますか?

僕は彼らに対してそんなことを考えることがあります。


仕事の受注量や内容は自分たちではコントロールできないので、
(コントロールは元請け側のこちらでしています)

とても忙しくなったり、暇になったりするんです。

振り回されるんですね、仕事に。


その会社の社長がそんなスタイルだと、働いている社員も似たような考え方になっていきます。

中には危機感を覚え、自らが独立や転職をするために前向きに努力している人もいますが。


やっぱり社員のモチベーションは本当に低いですよ・・・。

やらされている感が溢れています。

こちらと話していても真っ直ぐ前を向けない人もいます。

一言も言葉を発しない人もいます。

自分に自信が持てないのでしょうか。


そのような会社の社長ともたまに腹を割って話す時もありますが、かなり独特の信念というか哲学を持っているんですよね。

それは僕には理解できなくて、それを変えることもできないと、いつもそう思います。
(他人を変えるためには相当なエネルギーが必要になりますから)

昔はそれでも元請け側の役目として、下請さんの教育だったりアドバイスだったり色々と熱心にやってきたりもしましたが、最近はそういう事が少なくなってきた気がします。

紐解いてみると、こうした下請け会社さんも、昔は意気揚々と自らが元請けとしてやってきた経緯も聞けたりします。

でも時代とともに楽な方に流されてしまったのでしょうか・・・。

IT革命に付いてこれなかったという背景もあるかと思います。


そんな下請会社と上手に付き合い、質の良い仕事をやってもらうのが僕の業務でもあります。


彼らがどのような理念でどのように生きるのかは、彼らの自由です。
(できれば共有したいとは思いますが)

一定の基準を満たした質を維持できれば、これからも仕事はあるでしょう。

でも、その人達とこれから先も付き合うか付き合わないかの主導権は、こちらにあるわけです。
(彼らが他に取引先を開拓して、より良い条件を選ぶこともできます)

この先もずっと一定の量の仕事を発注し続ける保証もありません。
(もちろん努力はします)

こちらにも義理や人情がありますから、突然取引を辞めるなんてことは絶対にしませんが。

仮にもし取引を辞めるなら、どこかを紹介してあげると思います。


下請の社長さんは、そんな元請の「思い」は多分わからないでしょう・・・。
(下請は下請として大変なことが沢山あるでしょう)

そして今日も現場で愚痴をこぼしながら働いているのです。


ただ、元請け側の企業には、下請会社をこのような「骨抜き」状態に意図的にしてしまう、そんなテクニックを使うところもあります。

下請に甘んじて、どっぷりと浸かってしまった会社は、実はこの落とし穴に落ちたことに全く気付いていないのかもしれません。

僕のいる会社はそんなことはしていませんが、知れば知るほど恐ろしくなるような、そんなテクニックを垣間見たので、今度お話したいと思います。

(いや、もしかしすると自分でも知らない内に使っているのかもれません、効率化という名の下に)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

IT音痴からの脱却~その書類、電子化してください。 [ITスキル]

先日のことです。

僕が関わっていた物件で、トラブルがありました。

リフォーム工事の完成後に、お客様と元請会社の担当者が

「言った、言わない」

で、揉めたのです。


そこに僕も巻き込まれまして、

「どうなっているんですか?」

「どうしてそうなったんですか?」

と矛先を向けられました。
(僕が担当した工事に対するクレームでした)


その現場の担当者は50代後半の方で、
いわゆる

「IT音痴」

を貫いているお方です。


昔ながらのやり方を変えられず、大量の情報を処理しきれずに、頻繁にミスを繰り返しています。


忘れっぽかったり、そもそも覚える気が無かったり、
今までに何度も何度も同じようなミスをしています。


今回もトラブルが発生したことを聞いて、

「またですか・・・」

僕はそう思いました。


でもその感覚ではダメなんですよね、僕も。

「どうやったらそれを改善できるのか?」

「同じようなミスを防げるのか?」

僕も自分で自分の身を守らなければならないということです。


今回の件も、僕がそのことについて、覚えていなかったり、
明確にそして簡潔に説明できなかったら、その責任はこちらに回ってきたはずです。

そしてクレームを処理するためには、
回収できない経費がかかったり、
修正する手間や、人生最大の資産である、

「時間」

が失われてしまいます。


もちろん、どんなことにもミスは付き物ですし、広い目で見ると「想定内」でもあります。

いつもすべてが上手くいく、とは限らないわけですからね。

「このことから何を得ることができるのか?」

「失敗から学ぶべきことは沢山あるはずだ」

と、物事をプラスに変える発想を持つことも大事ですが、
この件に関しては、僕の考えの及ばないところで発生し、その火の粉がこちらに降りかかったケースなのです。

そして僕自身がターゲットになり燃やされようとしていました・・・。

お客様の怒りがこちらに向かおうとしていたのです。


そん中で僕が思ったのは、

「担当者にもっとITスキルがあれば良かった」

ということでした。

例えば、元請会社の業務としては・・・

・お客様と打ち合わせをして
・それを記録して、
・下請け業者に見積もりを依頼して
・実行予算を提示して、
・お客様と契約及び承認をもらって、
・下請け業者に発注して、
・着工して完成する
・そしてお客様に物件を引き渡す

というような大まかな流れがあると思います。


これは建設業に限ったことではなく、様々な分野でも同じように物事が進んで行くと思います。

ここで重要な役割を果すのは、やはり元請会社の担当者ですよね、間違いなく。

元請の担当者がこの流れの中のどこかで、
記録を疎かにしてしまったり、
発注ミスをすると、
必ず最後にそのツケが回ってくることになります。

そして下請け業者というのは、お客様と直接関わらないため、
元請からの情報や指示に頼ることになります。

ITスキルがある程度あれば、発注や変更を速やかに
メールなどで下請け業者に伝えることができますし、
電子情報として残るので、あとから調べたりすることも簡単にできます。


でも今回の件の担当者は、どうしたってそのITスキルがないのです。


一番最初の見積り依頼は主に電子メールで図面や仕様を送ってくれますが、
(図面は手渡しされることも多いです)
その後は「手書き」と自らの「記憶」に頼る、
そんな管理方法なのです。

1千万円を超えるような工事で、そんな管理方法はありえませんよね、普通。

手書きが悪いというわけではありませんが、
打ち合わせの記録としては、そのままでは弱いと思います。

今回のように

「打ち合わせした内容と現場の収まりが違う」

というクレームがあった場合、
担当者は打ち合わせ記録を必死に探したわけです。

ところが出てこないのです・・・。

どれだけ探しても、現場の収まりが打ち合わせによって
変更したことを証明できる証拠が出てこないのです。

そして、お客様も変更したことを忘れてしまったのか、
もしくは意図が正しく伝わっていなかったのか、
それを思い出して証明することができないのです。

これは本当にお互いが可哀想だし、困ったことになりました。

そこでもちろん僕が登場するのですが、
僕は残していましたよ、記録を。

なぜなら、この元請の担当者を信用していないからです。

だから、僕は内容に変更があったことを図面に書いていました。
(金額的な変更があった訳ではないので、追加発注のような扱いではありませんでした)

ある日電話が来たのです、その担当者から。
(よくかかってきます、一日に何度も)
そしてその電話の中で、工事の変更を告げられたのです。

変更内容は電話で把握できる類だったので、とくに図面を変更する必要性は感じませんでした。

そして僕はその内容を手書きで図面に記入しました。

ただし、日付の記入や打ち合わせ議事録のようなものは
作成していなかったので、証拠としては不十分と言えるのかもしれません。

でも僕には確固たる自信と、鮮明な記憶、
そして相手を納得させることのできる弁論、
というスキルがありましたので(笑

自分の書類を確認してから、そのミスの総合デパートである元請担当者に言いました。

「記録残ってますよ、私のほうでは」と。

それでその図面をスキャンして電子メールで送ったわけです。

作成されたPDFファイルの日付は、スキャンした日付になってしまいますが、
打ち合わせた時の手書きの内容が、とてもリアリティがあって、
納得してもらうには十分な証拠でした。

後から書いたんじゃないのか?

と言われる要素はなかったと思います。

もちろん相手はそれを見て反論することはできません。

だって、

覚えていない

のですから・・・。

このように、記憶に頼ったり、日付のない手書きの記録では、
事が大きくなった際に、取り返しの付かないことに発展する場合があります。

時には裁判沙汰になることもあります。

そこで、ITスキルのない方におすすめなのは、

・文書や図面をデジタルデータで保存すること

・打ち合わせの際は音声を録音すること

です。

これだけでも随分変わってくると思います。

特にITスキルを使う必要はありません。

もしこれが面倒だな、と思ったら
それこそITを活用するチャンスです(笑

ITを上手く活用すればこんなことは簡単にできてしまいますから。
(というか普通やっていますよね、今の時代)

まず、文書のデジタル化ですが、これには

・スマホのカメラ

・デジタルカメラ

このどちらかを使うと良いでしょう。

一番良いのはコピー機でのスキャンですが、
恐らくこれが面倒だったり、パソコンに取り込んで保存や整理をするのができないんですよね。

要するに、パソコン自体がハードルになっている方が多いですね。

でもスマホやデジカメを使って、
ノートや図面を撮影するのは、
決して難しいことではありません。

デジカメなら、日付や時間が記録できますから(設定が必要)
別にパソコンに取り込んだり印刷しなくても、
必要に迫られた時にだけ、デジカメのモニターで確認できます。

また音声ですが、これは取材記者やセミナーなどでも多く使われていますが、
ICレコーダーを普段から持ち歩いて、録音するクセをつけることで、

「聞いていなかった」

というミスを減らせますね。

最近はICレコーダーが小型化・高音質・高容量の物がありますので、
そちらを打ち合わせの際に使うと良いです。

ただし、人前であからさまに使う場合は、お客様に断ってからのほうが良いですね。

「大事な案件ですので、録音させていただきます」

と言った具合にです。

これも必要があった時に、日付と時刻から探すことができます。
(日報を書いていないとかは論外ですね)

日報に、

「○○様、10時から3回目の打ち合わせ」

と記録が残っていれば、その時の音声と紙に書いた内容を
デジカメとICレコーダーから確認することができます。

これなら難しくはないと思います。

そしてステップアップするなら、
それらの電子データーを、パソコンに取り込んで管理・保存して欲しいですね。

そうすることで、引き継ぎも楽になりますよ。

病院に行ったり、有給休暇で休みを取ることも、問題ありません。

紙ベースの記録だと、引き継ぎもままなりませんからね。

それと・・・

こういったIT活用が苦手な方の多くは、大量の紙ベースの資料を紙袋にいつも持ち歩いていますが、

実はそれらすべてを、スマホ1台に入れることが可能なんです。

スマホだとお客様にプレゼンしづらいのであれば、タブレット端末(i Pad)なども便利です。

でもスマホ1台でこれらを完結させるのは、
ある程度のITスキルが必要になります。
(難しくはありませんが)

ちなみに撮影や録音などもスマホ1台あればできます。
(スマホだけで完結させる方法は今後紹介します)

ということで、ITスキルを高める努力をするとともに、
こういったデジタル機器を使いこなして、
関わった方、全員が満足できる、
そんな仕事をお互いしていきたいものですね。

追伸:
今回のクレームに対しては、こちらに非がないことを双方に了承してもらいました。
その上で、それぞれの妥協案を受け入れて、無事に解決に至りました。

もし、僕が図面に記録を残していなかったら・・・
もし、僕の記憶からそのことが抜けていたとしたら・・・

想像するだけで胃がキューっとなります(汗

完全に一人負けの状態になってましたね。

おすすめのICレコーダー
(記録容量が大きめで、液晶画面で日付や時刻を確認できるものが良いです)
【送料無料】SONY ICレコーダー(16GB) ブラック ICD-TX650 B [ICDT…

■用語集
・スマホ~スマートフォン
・IT ~情報技術。インターネットなど通信を含める場合はICTとも言うが、それらも含めてここではITと言っております。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

50代からのITスキル [ITスキル]

僕がいる業界の取引先の企業には、現役バリバリの50代の方が大勢います。

役職もそれなりに上の方ですから、責任のある職務に就いているわけです。

そんな50代の方々と接していると、いつも気になることがあるんです。


それは・・・

人の時間を奪う

そんな方がとても多いということです。


人の時間を奪うということですが、具体的に言うと、

・電話が多い
(一日に何回もかかってきます)

・直接会って話をしたがる

・忙しいので要件を忘れてしまう
(分割して案件を依頼してきます)

・とにかく忘れっぽい
(手がけている案件が完了しません)

など、受ける立場の僕としては、とても振り回されるのです。


ここで、

「依頼する側と受ける側の立場が違うから、しょうがないのでは?」

と思ったりもしますが、お互い効率的に働くという意味では、

時間を損しているし、もっと上手くやれると、いつもそう思います。


そんな日々にすっかり慣れてしまいましたが、ある時その原因に気が付きました。


それは・・・

「取引先の50代の方々は、圧倒的にITスキルが足りない!」

ということでした。


それはメールひとつ見ても明らかに問題があります。

いえ、メールを使ってくれるならまだマシな方です。


急ぎの用件じゃないのに、

・やたらと電話してくる
(メールで済む内容だし、メールの方が記録として残ります)

・不要な書類を大量にFAXで送ってくる
(メールで十分です。必要書類を選別して印刷できます)

・たまにメールに添付されている書類や画像のファイルサイズが大き過ぎる
(スキャンの設定が悪かったり、画像の縮小をできないからです)

これ以外にもIT音痴を伺わせる、様々なやり方で、

相手の時間を奪う

そんな存在になっているのです。


一昔前、まだインターネットが発達しておらず、

スマホなんかがなかった時代ならまだわかります。


でもITの発達により、世の中は便利になり、

僕達の業界もその恩恵を受け、それを利用しながら発展しているのです。

ところが僕の身近な取引先のアラフィフの方々は、

ITスキルを高めることができずに、昔ながらのやり方で

貫こうとしているのです。


彼らの立ち位置も、部下のいる上司であったりしますから、

プライドが邪魔をして、聞けないんですよね、職場では。

取引先の僕のような者には、それでも聞いてくれたりするんですが、

そもそも「覚えよう」という意欲がないので、

一度教えても忘れてしまうんですね。


昔のやり方に戻ってしまうんです、使わないから。


そういう訳で、50代からはITスキルを磨くことをオススメします。

プライベートでほとんど使わないのも、遠ざかる原因の一つだと思います。

(でもそういう人に限って、競馬のネット口座を持ってたりするんですよね、汗)


10代や20代の若者のように、当たり前ではない習慣かもしれませんが、

それを仕事に活かすことにより、人生変わると思いますよ。

・今より何倍も楽に、

・もっと効率的に、

・利益を上げる

そんなことが可能になります。

そして・・・

相手の時間を奪わなくなります。


必要最低限のITスキルを身につけることで、

これからの人生、まだまだ活躍できると思うのです。

まずは・・・

パソコンのキーボードのタイピングを練習するのもいいと思います。

あとはメールを使いこなしたりとか。

僕の知る人達は、自分の携帯のメールアドレスさえも知らないことが多いです。

会社のパソコンのEメールは使っているのに。

一歩踏み出して、寄り添って、役立つスキルを身に付けましょう。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。